ボトックス注射を注入することで、多汗症や軽度のワキガが解消できます。
腋窩多汗症とは、腋窩に異常な量の発汗を生じる状態を言います。
発汗に関与するのはエクリン汗腺ですが、この汗腺は自律神経(アセチルコリン作動性の交感神経)の支配をうけています。心因性の刺激(ストレス、極度の緊張など)を受けた時、交感神経の作用が高まるために、エクリン汗腺からの発汗が増加し、その結果多汗を生じます。
腋窩(わきの下)から特有の悪臭を放つ状態をいいます。エクリン汗腺からの発汗により、腋窩の皮膚は湿った状態となり、細菌(特に黄色ブドウ球菌)が繁殖します。ここに、毛穴を通じて皮脂腺とアポクリン汗腺から分泌液が出てきます。すると、この分泌液中の脂質を細菌が分解し、臭いのもととなる低級脂肪酸(カプロン酸等)が作られます。これがエクリン汗腺からの汗の水分に溶かされ蒸発し、臭いが周囲に拡散していわゆる「ワキガ」の状態に至ります。
ボトックスは、エクリン汗腺への神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を特異的に抑制し、これにより多汗症の治療効果を示します。
腋窩に片側あたり50Uのボトックスを皮内注射することで、5ヶ月間の無発汗効果が得られると欧米で報告されており、リスクの少ない有効な方法であると考えます。
また、エクリン汗腺からの発汗が減少することで、軽症のワキガの方への治療効果も同時に得ることができます。
臭いの程度が軽く多汗症が主な場合、ボトックス注射による治療が効果的です。しかし臭いが中程度以上の場合は、手術療法が最適と考えます。